*雅side*

*大切で、大好きな君の声を聞いた。
大切で、大好きな君の声は泣いていた*ーーー。

君の声が、夢の中まで聞こえてきた。
いや、あれは夢なんだけど確かに"現実"だった。

だけどまさか、大切な君がーーー



襲われていたなんて、壁一枚のドアを開けるまで半信半疑だった。

"やだっ、やめて‼"ーーーー。


君の泣いてる声が聞こえた。
熱のある頭で、考えても分からない。



なあ、葵……………


やっぱり、お前に、ルナはやれない。


俺はルナに覆い被さる葵を、殴っていた。
怒りでどうにかなりそうなほど、拳が震えてた。
ルナの姿に、何が起こったかすぐに理解した。

「葵、俺は………自分が傷つけられてもいい。
だけど………ルナだけは傷つけるのを我慢出来ない‼

お前今、ルナになにした?何を言った!?」


"すぐ済むから、黙れよ‼"ーーーー。

葵の声を確かに聞いた。

壁を背に座り込む葵は、俯いたまま何も言わない。