*ルナside*

私のせいだ。
雅くんに風邪が移ったのは、私のせいだ。

「なになに、高城風邪?
そうかそうか、じゃあ、予定変更‼
もっと大きいダメージ与えてやるよ‼」

男のそう言う声がして、私の唇は無理矢理奪われた。

「いやっ!!」


やだぁ、葵くんだって見てるのに………見ないで‼

そう思うのに、抵抗出来ない様に抑えられた腕も、、

心も痛い。


「…………っ、ルナに触るな‼」


葵くんの、怒鳴り声が倉庫内をこだました。

雅くんは、ずっとーーー下を向き目を瞑ったまま動かない。


そんな雅くんが、まっすぐ歩いてくる。
フラフラしてる感じすら、感じられない。

やはり、目は閉じている。

雅くん…………?



そんな彼の目が開いた。

射抜く漆黒の瞳に…………動きが止まる。

ダッーー


君が駆けたその先に私はいた。

まっすぐ私を見てる。


ドキンっーーーー


拳が、私をすり抜けた。

「うわっ!!!!!」

汐の声が聞こえて、汐が倒れた衝撃で私の体は流された。


「きゃっ!!!…………っ」


衝撃に、目を瞑ったけど何も来ない。
痛みも何もーーー。


変わりに来た暖かい温もり。

「雅くんっ」

君でした。。