「あーなるほど。
こちらも、仕事ですから。
君の彼女?」

「見えます?見えます?残念ですが、あの黒髪に持ってかれました。
でも、大丈夫。
俺達、結婚しますから」

「………バカっぽい。「え、なんか、いいました?」
今、なんか、ボソッ、と言われた気がする。
「いいえ、若いっていいですね」

結局、ただの風邪で安心したけど……

「とりあえず、点滴しますよ。
外に出てお待ちください」

外に?

え、先生と二人っきり?

「え、いちゃダメなんですか?」

先生と、二人とか嫌なんだけど。

「大丈夫ですよ、医師ですから」

信用しなきゃ、舐められる。
俺は、ルナを残し診察室を出た。

「あれ、雅一人?ルナは大丈夫?」

葵、なんだかやつれてないか?

「あー、点滴するから外に出て言われて今、先生と二人っきり」


「先生って、あのイケメン?」

「ああ、心配いらないよな。
先生だし」

心配いらないと、信じたい。

「いや、怪しいっすよ。
あの先生、ルナちゃんのこと、イヤらしい目で見てたし」


はぁ⁉

まさかのヤス。