《卒業式》
「安堂ゆなさん」
「はい」
...
卒業証書授与式。通称卒業式。
先生の声は一定で、眠いだけ。
卒業証書を片手に俺はうとうと居眠りをする。
今日で中学を卒業し、4月から少し離れた高校に通うことになる。
何気ない日常にはなにも不満はなかったが、何か足りない感じがずっとしていた。そんな3年間だった。
「桃田センパーイ!卒業おめでとうございます♡」
3年間入っていたサッカー部のマネージャーで可愛い女の子がお祝いのクッキーをくれる。
いかにも手作りっていう感じでオシャレだった。
「ありがとうニコッ」
「キャー♡」
俺が微笑むと彼女は照れながら去っていく。
「よっ!色男!」「モテるねぇ🎵」
「やめろよ、そんな。別にモテねーよ!」
そんなからかいあいも今日で最後...
男友達も沢山いたし、女の子にだって人気があった。
毎日が楽しくて仕方なかったはずなのに...
なのに何故、心が満たされないのだろう。
俺の心はぽっかり穴が開いたみたいにスカスカで、
どんなことをしても、この心の穴を埋めてくれるものはなかった。
「安堂ゆなさん」
「はい」
...
卒業証書授与式。通称卒業式。
先生の声は一定で、眠いだけ。
卒業証書を片手に俺はうとうと居眠りをする。
今日で中学を卒業し、4月から少し離れた高校に通うことになる。
何気ない日常にはなにも不満はなかったが、何か足りない感じがずっとしていた。そんな3年間だった。
「桃田センパーイ!卒業おめでとうございます♡」
3年間入っていたサッカー部のマネージャーで可愛い女の子がお祝いのクッキーをくれる。
いかにも手作りっていう感じでオシャレだった。
「ありがとうニコッ」
「キャー♡」
俺が微笑むと彼女は照れながら去っていく。
「よっ!色男!」「モテるねぇ🎵」
「やめろよ、そんな。別にモテねーよ!」
そんなからかいあいも今日で最後...
男友達も沢山いたし、女の子にだって人気があった。
毎日が楽しくて仕方なかったはずなのに...
なのに何故、心が満たされないのだろう。
俺の心はぽっかり穴が開いたみたいにスカスカで、
どんなことをしても、この心の穴を埋めてくれるものはなかった。