俺のじいちゃんは発明家だ。

テレパシーを実現させたアメリカの有名な研究所で

副局長を勤めるほどのすごい人らしい。


そのじいちゃんによって

損傷した俺の脳の半分には

最先端のハイパーコンピューターが埋め込まれた。



生まれてから事故が起こるまでの記憶は戻らないが

代わりにこれから先の出来事は忘れない。


もしかしたら優しいじいちゃんは

あえて事故の記憶を戻さなかったのかもしれない。


両親を失った瞬間なんて覚えていたいとは思わない。