自分の名前が出たので聞き耳を立てていると「千春は真面目だからね」とモナが優しく言った。

何だか私の話をするモナの声色が、子どもを宥めるような口ぶりで日頃の自分に気恥ずかしさを覚える。

モナからしたら本当の立場は同級生でも、私が幼く見えるのかもしれない。
いつも甘えてばかりだから仕方ないのだけど。


「誘いに乗ってくれても良いのに。
早川さんにはイケメンの彼氏が居るんだし、同じ営業部だし勘繰る人なんか居ないんじゃないかって言ったんですけどね」

「それでも駄目でした」と手酌でビールを煽る野村くん。