「お疲れ様。外回りご苦労様です」

労いの声をかけると、日頃のお礼だと言ってカフェオレを買ってくれた野村くん。
お礼を言って三人がけのベンチに座ると彼も私の隣に座った。

「…戻らないの?」

隣に座らないで欲しい思いを込めて聞くと「早川さんと一緒に戻ります」と可愛らしく笑った。

最近何となく気がついてはいたけど、あの一件以来なつかれてる気がする。

「ねぇ?野村くんといると…」

私が途中まで言うと「目立つから嫌だ?」と言葉の続きを言われてしまったので、声には出さず小さく頷いた。