「早川さんも、巻き込んでしまって悪かった。
君にも伝えたい。
これからもよろしく」

永田係長は私に言うとグッとグラスの白ワインを飲み干した。

「…今日は食事と場所の提供をありがとう。
モナさんも、すまなかった。
申し訳ないが、今日は失礼するよ。
また月曜日に会社で」

早めの口調で伝えると、立ち上がって頭を下げてリビングを出ていった。

私は玄関まで追いかけると「また月曜日に」とだけ伝えて見送る。

会釈をして、ドアが締まる前に私が見た永田係長の顔は今にも泣き出しそうな笑顔だった。