「秋斗…」

永田係長が呟くように野村くんの名前を呼んだ。

「…俺達、上司と部下にしっかり戻りましょう。
上司としては尊敬してます。
でも、もう恋人には戻れません」

野村くんは、しっかり永田係長を見据えるとハッキリした口調で言い切る。

キッチンから戻ってきたモナも、静かに着席すると何とも言えない顔でうつ向いた。

恋の始まりも突然来る事があるけれど、恋の終わりも突然来る事があるのかもしれない。

私の斜め隣の永田係長が、膝元に置いた拳にグッと力を込めてうつ向いている。