「浮気心はなかったわけですね?
うーん。私なら単なる勘違いで済ませてしまうかな」

私が腕組みをしながら言うと、しきりに「ああ、そうなんだ」と頷いて同意する永田係長。

必死な顔付きを見るとその勘違いを起こした状況に同情さえ覚えてしまう。

「でも俺は許せませんでした。
知らないおっさんの肩にもたれ掛かる宏樹を見たら、こう…腹の底からムカついて」

へえ、永田係長を宏樹って呼んでいたんだ。

普段と違う呼び名に、本当に付き合っていたんだなぁと改めて考えていると「私も嫌ですね」と聞く側に回っていたモナが口を開いた。