二人は気まずそうに目を反らしている。

「だからとことん話しましょう。
その為に今晩は呼んだんですから」

私が言うと今度は野村くんが小さなため息を吐いて「俺、寄りを戻す気はないってはっきり伝えたはずですけど?」と斜め向かいの永田係長をチラリと睨んだ。

「浮気が原因って言ってましたけど、その経緯が間違ってるって可能性は?」

私が聞くと「…半年前、野村と二人で飲みに行ったんだ」と永田係長が一拍置いてから話始めた。

少し長くなったけど、話を要約するとこうだ。
二人で飲みに出掛けた永田係長は、野村くんがいる安心感もあって飲みすぎてしまったらしい。