「お風呂ありがとうございました」

丈の少し短い父親のパジャマを着て肩にタオルを掛けた彼がお風呂場から出て来る。

「パジャマ小さくてごめんね。私の父のなんだ」

「いえ、大丈夫です」

そう言って彼は微笑む。

(よかった。いつもの彼だ)

クラスで見るのと同じ笑顔に少しホッとする。