ガバっと起きたと思ったら次の瞬間にはベッドに逆戻り。

あれ?

力が入んない?

「あら、起きたの?」

また綺麗な声。

体を向ける事は出来なさそうだったので顔だけ声の方に向ける。

そして固まった。



抜けるような白い肌。
柔らかそうな、緩やかにウェーブのかかった金髪。
意志の強そうな瞳は青色。
唇は艶やかで赤く、手足は長く女らしい色気のある体つき。

とんでもなく美しい美女が自分を見ていた。



「どうしたの?体動かないのはラディルのせいだから私は謝らないわよ?」

ラディル?

って誰?

それにどうして体が動かないのをこの人は知ってるんだろう?

疑問に思っていると目の前の美女は顔を顰めた。

美女はどんな顔しても美女なんだな・・・

って私、今と同じような事、つい最近思ったような・・・


「貴女、喋れないの?」

「え?」

「・・・喋れるじゃない。どうして何も言わないのよ」


ため息をはきながら美女は私に近づいてきた。

そして手を伸ばしてくる。

「っ!・・・」

その手が今までの狂った人達の手に重なってつい目を閉じて体を強張らせてしまった。