ガシッ!
唐突に捕まえられる手。
逃げたいのに恐さで動けない体。
「何っ!?」
フラシアさんが驚いてる。
「私のモノ!」
「ぃゃっ」
捕まれた腕を振り払おうとするが恐怖で全然力が入らない。
「ちょ、ルクスを離しなさいよ!」
慌ててフラシアさんは私と店員さんを離そうとするけど・・・
「私のモノよ!誰にも渡さない!」
「なんでただの人間にこんな力があるのよ!」
フラシアさんでも引き離せないほど店員さんの力は強いらしい。
怖い、怖い、怖い・・
どうして私はこうなるの?
どうして私なの?
どうして・・・
「やだぁーー!」
「ルクスっ!・・離しなさい!人間」
いつも気づいた時にはもう遅い。
誰かを狂わせた後に後悔する。
あんな事しなければ良かった、と。
こんな事になるのならおじいちゃんの約束を破ってでもあの家に居れば良かった。
たとえ、たった一人になるとしてでも・・・
†