「ルクス!こっち、こっち」

「は、はい。ちょっと待って下さい」

今、私はフラシアさんと一緒に買い物をしている。



何故かというと私の性格を叩き直すと言ったフラシアさんに

「まずは見た目から変えるわよ!」

と意気込まれ大分動くようになった体を引きずられここまで来ている。

人と目が合わないように帽子を深く被り下を向いて歩くせいで何度かはぐれそうになりながら・・・







†††††


「別に誰も狂わないじゃない」

辺りを見回しながら呟くフラシアさん。

私はこの言葉にどう答えていいのか分からない。

狂わないのは目を合わせないようにしてるからだと思う。

もし、目を合わせて狂わせてしまったら、フラシアさんに迷惑をかけてしまうし・・・



私が怖い。





フラシアさんにまで化け物を見る目で見られたら・・・




「もぅ、そんなに深く帽子を被ってたらこけるわよ」

おもむろに帽子を取ろうとするフラシアさん。

「だ、ダメ・・!」

「フラシア」

呼ぶ声には制止の意味が含まれていた。