「目が合ってから・・・まさか・・・魅了眼保持者か?」

前髪をラウディルさんの手によって避けられ顔をあげさせられる。

綺麗な顔立ちと目が合って顔が熱くなる。


ダメ。

目を合わせてはいけないと分かっているのに・・・

逸らせない。

魅せられる。

しかもラディルさんの茶色の瞳が金色に輝く。



「ラディル。その娘、魅了眼保持者なの?」

「違う。魅了眼保持者じゃない。・・だが魅了眼がきかない体質みたいだ」

「あら、珍しいわね」

パッと離される手。

もっと見ていたかった。

もっと触れていたかった。


え?


変だ。

今の自分の考えは・・・

だって目が合うとその人が狂うと分かってから誰かを見ていたいなんて・・・触れていたいなんて思わなかったのに。



「・・ら、ラディルさん、昨日と髪の色が違いますよね?どうしてですか?目だって金色に変わって・・・」

何かを喋ってないと何かが込み上げてきそうでとっさにでた質問。

「あぁ、それはラディルの家の体質みたいなもんよ」

「体質、ですか」

「そ。リトヴェーネ家は・・って私達、自己紹介もまだじゃない。よし、自己紹介するわよ!」

どうしてそんなに張り切っておられるのでしょう?・・・