俺は曖昧なことしか言えない。

「パーティー?」

小町が首を傾げる。パーティーに招待されたということは、ラス国出身のフローレンスと、対策本部の議長である俺しか知らない。

「ああ、今日の会議で話す」

俺はそう言って席に座った。世界平和対策本部のメンバーはほとんど揃っている。

リリーの席は空席で、会議室にもその姿はない。リリーは遅刻の常習犯だ。

この遅刻ぐせにはため息が出る。あいつは一体どんな躾をされたんだ。

会議が始まる時間になってもリリーは現れない。しかしいつものことなので、会議は始まった。

「今日の会議の内容は、いつもと違う。大事な話なので、きちんと聞いてくれ」

俺がそう言うと、会議室がざわつく。これも珍しい光景ではない。当たり前となったこの光景に、俺はため息をつきつつも嬉しく思っていた。

「静かに!!……実は、ラス国の貴族からパーティーに出席しないかと招待状をもらった。このパーティーに参加するのかどうか聞きたい」