そんな俺がこんな格好をしているのなら、小町が心配するのも無理はない。

「すまん、心配をかけて。昨夜は考えごとをしてしまってな…。あまり、眠れなかったんだ」

「考えごと……ですか?」

普段なら小町に話しているのだが、今回は話したくなかった。リリーが貴族と一緒にいる方が幸せだと一瞬でも思ったことを知られたくなかった。こんな愚かな考えは、この対策本部では決して許されないだろう。

小町が不思議そうな顔をしているうちに、ぞろぞろと他の国の代表たちが会議室に入って来た。そして、小町と同じように驚いている。

「リーバス!」

華やかなドレスに身を包んだフローレンスが俺を見つけるなり、駆け寄ってきた。

「フローレンス、どうした?」

「あなたの顔に対して聞きたいですわよ。それより……パーティーのこと、考えてくださいまして?」

フローレンスから訊かれ、胃が重くなる。考えたくない現実に今すぐ帰りたくなった。

「ああ……そうだな……」

「ベルベット様から訊かれましてよ。返事は早くしてくださいまし」

「ああ……」