それに、リリーもパーティーとなると喜ぶのではないか。そんなことも頭に浮かぶ。

リリーは、俺たち対策本部の仲間や一般人とパーティーをする時は、市場などで売っているお菓子や食べ物を持って来ていて、音楽だって一般人の知っている曲が多い。おまけに服装は自由で、どんな格好をしていようが、みんなと騒ぐ。

そんな彼女の楽しみ方は、俺たち一般人にとっては気が楽で……楽しい。しかし、リリーは無理をしているのではないかと思ってしまう時がある。

一般人の常識は、リリーにとって常識ではない。そのため、お金の感覚や家事のことががわからずに話についていけなかったり困っているような場面もたまにある。

リリーもきれいなドレスや宝石で着飾り、優雅なワルツを踊って、俺たちが見たことも食べたこともない料理や酒に囲まれた方がいいのではないか。

貴族のような振る舞いをしているリリーを想像していると、虚しさだけが込み上げてきた。