「どうせやるなら、みんなとは違うやつがいいよな。思い出に残るような」

「だよねー。でも全然思いつかない…」

時刻は既に5時。

部活も終わって受験生となった今では、こんな時間まで学校に残るのは久しぶりだ。

他のクラスの人も、ぼちぼち帰ろうとしている。

「私達も、今度までにそれぞれ考えてきたのでいいかな?」

「何を考えてくるの?」

えっ、と声を上げると目の前に瀬戸がいた。

「ちょっと瀬戸ー。来るの遅いよ!」

陽菜がバシンっと瀬戸の背中を叩く。

「まあまあ、ちょっとトイレ行ってただけだよ」

「嘘だー。もう5時だよ?」

瀬戸は、悪気なさそうにへへんと笑った。