「おい女」
隆琦の鋭い声は肩で呼吸をしている友梨に届く。
「何よ」
「お前、ちゃんと謝れ」
「誰に!!!!」
友梨の声は大きく響き、友梨の前に立っている勇太と祐亮は拳を震わせていた。
「私に」
私はそういって友梨の前まで歩くと友梨を見つめる。
「私に、ちゃんと謝って」
その声で友梨は目を見開く。
私が避けていたあの頃からは考えることもなかった姿が、そこにはあったから。
「嫌よ」
友梨はそういうとスーツの方達に声をかけようとする。
「じゃあこの殴り合いになんの理由をつけるの?」
「…っ…私の、仮面を取っただけよ」
「嘘つき」