波留多の台詞に、なんて私は浅はかだったのだろうと考えさせられる。



ジャリ、という音とともに去って行く波留多は誰よりも儚く見えた。








「それと」







私には聞こえないであろう声で波留多が話すのが聞こえる。
私は耳がいい方だから聞こえないなんて思っている波留多がこんな時でも可愛く見えた。










「茉菜、はあいつの幼馴染だ。」









それは鈍器で殴られたように私の頭に響き、それに気づかない波留多は優しい口調で残したにもかかわらず残酷に去っていった。