「咲良ちゃん、追い詰めるの得意なんだよ〜」 隆琦は被ろうとしてたメットを戻し、私を引き寄せる。 「おいなにしてんだ」 「ちょっと咲良ちゃん借りてくね〜」 ふわりと優しく笑うと私はそのまま隆琦に引っ張られる。 少し離れた所で2人の影をつくり、隆琦は話し始める。 「まあ分かると思うけど、俺は女の子に裏切られてる」 そこからポツポツと始まった隆琦の昔話。