その日の夜、ロビーのソファの背もたれに寄り掛かり、窓ガラスから外の景色を眺めた。 幸いなことに、歩けるだけの体力はまだある。 「こんな時間にこんなところで珍しいね」 突然、聞き慣れた声がしたから振り返ると、そこには先生の姿。 「寝てばかりだと飽きちゃうから」 少しだけ、気分転換。 「ねぇ先生…。この前はごめんね。 医者に”殺して”なんて言ってさ…」 先生は、いつも一生懸命あたしを助けようとしてくれてたのにさ。 そんなことお願いしちゃうなんて、バカだよね。