ああ、やっと今日が終わりそうです。

今は地獄の学校から、退屈な我が家に向かって歩いています。


今日も一日何事もなく、長い長い憂鬱な時間を乗り越えました。

帰ってなにをしようかなぁ

そんなことを考えて歩っている時だった。


「憂、久しぶり。覚えてる?俺のこと。」

この声。

最悪だった。

最悪すぎて鳥肌がたった。

覚えてないわけない。

忘れるわけもない。

だってこいつが、わたしの

わたしの…

大嫌いな奴だから。



「ねぇ、憂、聞いてんの?まさか忘れるわけねーよな、ハハッ、覚えてんだろ?」

「覚えてない。」

「は?」

「誰ですか?気安く名前呼ばないでもらえます?人違いです。」

「いやいや(笑)人違いの人の名前知ってるわけねーだろーが(笑)やっぱお前馬鹿だな、バカはなおらねーのな!」

うっざ、なんなのこいつ。


こいつのことなんか忘れてたのに。いきなり現れてきて…

「なあ、憂、高校どう?楽しい?また、中学ん時みてぇに馬鹿みたいにリーダーシップ発揮してんだろ!飽きねぇな、お前も、なにが楽しんだか??」

「あのさ。なんであんたにそんなこと言われなきゃなんないの??は?あんたに馬鹿にされる筋合ないんですけど!!ってか、だいたい誰のせいで私がこんなっ……」

え…、わたしなにムキになってんの?もう怒るとかゆう感情なんかどっかいっちゃったはずでしょ?

てか、今なんて言おうとした?

なに思い出しちゃってんの私。

「なんだよ、俺がお前になんかしたかよ。なんでそんな怒ってんだよ。」

「うっさい、なんでもないしあんたに関係ない…

…てか、何?なんか用でもあった?ないなら私帰りたいんだけど。」

「あのさ、憂。お前さ、彼氏とかいんの?」

「はい?それ聞いてなんの得があるの?てか、いたとしても、あんたに関係ない。」

「いるのかって聞いてんの。どうなんだよ」

「ほんとくだらない。いませんけど。てか、そんなもんつくろうとも思わないし、そもそもこれっぽっちも興味ないから。悪い?」

「いや、悪くねぇ。」

あいつはなんだか嬉しそう。

「で?終わり?」

「は?」

「だから、用はお済みになりましたかって聞いてんの。私もう行くから、じゃあね。」

「憂…俺さ、あの時はまだガキだったっていうか、なんも考えてくなくて、あんなんいったけど、

今はな、憂がいねーのがつまんないし、憂がいねーとおれっ」

は?この人なにいってるの?てか今更なんなのよ。

やめて、もうなにもいわないで。

「やめて。」

「…は?」

「だから、やめてっていってんの。なに?用ってそんなこと?くだらない。」

「は?くだらなくねぇよ!おれは本気でっ」

「だから、そんなの興味ないから。だからぐたらない。
悪いけど、今の私にそんな感情これっぽっちもない。そんなもの捨てた。てか、なんなの今更。私のこと馬鹿にしてるの?…あそっか、私は隣にいる金魚のフンだもんね、」

「ちがっ…だから俺はあの時とは違って、今ならおまえをっ…」

「あんたも全然かわらないじゃん 。なんも変わってないよ。自分が良ければそれでい?…人の気持ちなんて何も考えてない。あの時の私の気持ちなんてわかるわけもないよね、だからそんなこと今更いえるんだよ。
てか、もう帰って?もう話したくもないし顔も見たくない!…じゃあね。私行くから。」

私が立ち去ろうとすると…

"ギュッ"

あいつがの腕を掴んで引き止める

「何すんの、離して。」

「俺、本気だから。お前が関わりたくなくても俺はお前のまえに現れる。絶対諦めねぇ。」

まだいってんの。だいたい、そんな感情すぐ消えるでしょ。今は久々でおかしくなってるだけ。

そんな簡単に言わないで。

「…痛いっ。離してってば!」

私は腕を振りほどいてあいつをにらんだ、

なんて顔してんのよ。そんな顔しないでよ。

私までおかしくなる。早く立ち去らないと…

私は家まで走った。

走って走って走って、それでもあいつのあの顔が頭から離れない。

"ポタッ"

…え?なに、泣いてんの…?

もう好きでもなんでもないでしょ、

そんな感情捨てたじゃんか。

それなのになんで?

もう、最悪。ほんと最悪。何も考えたくない、全部なかったことにしたい。

誰か…私のこの気持ちを忘れさせて…。

もういっそ、どこかえ消えてしまいたい。