さすが美少女、こんな所でお金持ちにナンパされちゃうなんて…




「…この後は仕事なので。」




嫌そうに目をそらす南條さん。



男の人が正面に立っているせいで逃げるに逃げられないといった雰囲気だった。




困ってる……よね。





とはいえ、ただのメイドでおまけに南條さんに嫌われてる私が口を挟んでいいものなのか。




ナンパではあるけど、どこかの御曹司みたいだし。




「え、つれないなぁ。仕事のあとは?来るまで迎えに行くからさ。
俺いいバー知ってるんだよね」





「私が未成年だって知ってますよね?」




「何、その言い方。俺の親が誰だか知ってそれ言ってるの?」




男の人は態度が一変して南條さんを睨みつけた。




「親はすごいのかもしれないけど、あなたは何ができるの?ただの大学生でしょう?
親が稼いだお金で好き放題遊んでるだけの」




えええ、そんなこと言っちゃって大丈夫!?




物陰で見守っていた私が冷や汗をかいてきた。




「チッ、何様だお前!!!!」




男の人が南條さんの髪の毛を引っ張った。





……ダメだ、見てられない。