「湊くんの圧には逆らえないんだよなぁ…」





私は月城家では後輩だけど、一応年上なんだよ?なんて。





「自販機…こっちか」




広い建物は月城家で十分すぎるほど慣れているとはいえ、始めてくる場所は苦手だなぁ。




煌びやかなシャンデリア、真っ赤な絨毯、壁にかかる絵やお花。



庶民の私には全てが眩しく見える。




「── ねえ、モデルの南條茉希でしょ?俺○‪✕‬グループの社長の息子なんだけどさぁ。
この後2人でディナーでもどう?なんなら今から抜け出す?」




あ、南條さん…と、誰?



グレーのスーツを見にまとい、髪の毛をオールバックでガチガチに固めた男の人。




少し歳上に見えるそんな男の人が階段近くの手すりに寄りかかる南條さんに話しかけていた。