聖南ちゃんの手には小さい頃の俺と聖南ちゃんの写真があった。




懐かしいなぁ、なんていいつつ、あの写真のことはほとんど覚えていないんだけど。





「いい加減そいつ起こせ、飯だ」



「うん、ありがとう湊」



「今更なんだよ、気持ち悪い」





電気をつけて部屋を出ていった湊。





「ん...」



「あれ、起きた?」





光が眩しかったのか、眠っていた聖南ちゃんの表情が少し険しくなった。




寝てても感情がわかりやすいなぁ、この子は。





「聖南ちゃん、起きた?」




「あと5分...」




「ふっ...」





この不意打ちはさすがに笑ってしまう。




寝ぼけて俺がお母さんかなんかに見えるのかな。





「うーん、待ってあげたいところだけど夜ご飯できてるから、起きよ?」