そして、とうとう、桃李に絡んでいき、俺との話を自慢するかのように、赤裸々に聞かせていたという。
まるで、見せつけるかのように。
これにもさすがに頭にきて、激怒させてもらった。
そこは、そっとしておいてくれって…!
こいつ、無理。
そして、極めつけが。
何て言ったらいいのか…常に、したがる。
…何をしたがるのかって?
いや、あれ。
カラダの関係の方…。
会う度、会う度に、くっついてきて甘えてきて『ねー?しよー?』なんて、キスしてくるもんだから、ほぼ毎日…してた。
人の目を盗んでは、いろんなところで。
今、思い返すと戦慄だ。
ただの変態だ。
一言で片付けるなら。
とても、アニマルな女。
でも、俺も中学生というお年頃ですから。
ついつい、お誘いに乗ってしまう。
好きじゃなくなったけど、俺も男なので…したいものは、したい。
でも、里桜は相変わらず俺を好きなようで、離さないし。
だらだらと一緒にいる感じ。
結果。
表面上は付き合っていても。
やっていることは、ただのセフレと化した。
しかし、そんな毎日が続くと、いい加減空しくなってくる。
俺、何やってんだろう。
桃李に…会いたい。
会いたくなってくる。
だが、里桜が桃李に絡んでいき、桃李を泣かせてしまったことで、秋緒のお怒りをくらい、パンダフルに出禁となってしまった。
夏休み中だから、学校もない。
桃李に会えない…!
もう、キャパ超えしそう。
メンタル崩壊寸前。
そして、とうとう別れるきっかけになったのが。
昨年の夏祭り。
夏祭りも終了した夜の公園で、みんなで遊ぼうとなった時に。
『用あり。じゃあなー!お疲れ!』
と、言い。
理人は、桃李と手を繋いでどこかへ消えてしまった。
俺達が、見てる前で。
『…は?マジ?理人と桃李、そういう関係?』
『付き合ってんの?!マジ?』
周りの仲間がざわつく中。
俺は、茫然自失となってしまった。
え…何?知らない。
二人、いつの間にデキてたの?
いつ?いつから?
ショックのあまり、しばらくその場に立ち尽くしてしまった。
…今、思えば。
桃李は地味子のモブキャラ。
まさか、こんな風に誰かとデキるなんて、思ってもみなかったし。
なんせ、相手が理人というのが、一番ショックだった。
しかし理人、とうとうやってくれたな…!
ショックにプラス、イライラが込み上げていた。