彼女は、あのケガがきっかけで、サッカーを辞めてしまっていたのでした…。
何ということでしょう。
蓑島少年は、深い深い悲しみに襲われました。
だけど…なぜ?
なぜ、ケガひとつでサッカーを辞めてしまうことになったんだ?
彼女に…何かあったんだろうか。
ケガをしてサッカーが出来なくなって。
彼女はきっと辛かったに違いない。
誰か傍にいて、支えてあげたんだろうか。
…いや、もしそうならこんなサッカーを辞めるなんてことにはなってないだろう。
傷付き、独りで泣いていたんだろうか…。
彼女は、今。
幸せなんだろうか。
同じクラスにいる彼女と話したり、視界に入れる度に、そんなことを思ってしまいます。
…そして。
好きな人が他の女とキスしているのを偶然見てしまい、傷付き泣いている彼女を目の前にして。
蓑島少年は、ある決意をしました。
誰も彼女の傍にいてやらないのなら。
俺が傍にいてやる。
誰も彼女を幸せにしようとしないのなら。
俺が…幸せにしてやるんだ。
俺が、彼氏になってやる!
「……え?!ち、ちょっと待って待って待って…な、何でそうなっちゃうの?!」