蓑島くんは嬉しそうに頷いている。
「それ、御守りにしてたら、ゆらが押し花にしてラミネートしてくれたんだ。俺の御守り」
「こんなに丁寧に…」
「試合中、どんなに緊張する場面でも、逃げ出したい時も、それがあったから頑張ってこれた…」
不思議だ…。
…あの時、何気なく探してあげた四つ葉のクローバーが。
たった草一本が、こんなにも彼を奮い立たせる原動力になっていたなんて。
たかが私があげたものに。
そして、その彼が…今、私の目の前にいて。
これを、偶然と呼べるだろうか。
運命…じゃない?
「中、開いてみて?」
「…うん」
言われた通りに中を開くと…そこには。
「え…」
私のチームの試合結果や、私の昔の新聞記事。
雑誌取材受けた時の記事や、ネットニュースの記事まで。
綺麗にファイリングされていた。
「こんなに…」
「言っとくけど、ストーカーじゃありませんよ?ファンです。ファン」
「わ、わかってるよ」
その話を聞いた後で、ストーカーに思うほど私ひねくれてないよ…。
でも、お父さんお母さん並みだよ。この収集ぶり。