すごい。すごいぞ!

俺はこんなすごい人から、四つ葉のクローバーを授かったんだ。

この四つ葉のクローバーから、彼女の凄いパワーをお裾分けしてもらったんだ。



すごい。今ならやれる。

野球、どこまでもやれる。



それから蓑島少年は、中学は部活ではなく、腹を括って硬式野球のチームに入団を決意し。

どこまでも野球に明け暮れました。

意識を高く持って、とことん野球にのめり込みました。




この世は腐ってなんかは居ない。

そんなことだけでも、何処かで報われた気がして過ごせていました。




だって、あの彼女だって、クラブチームに入って本格的にサッカーを頑張っている。

どこまでも活躍する彼女を、蓑島少年は気にして気にして、新聞やネットニュース、サッカーマガジンまで追うように。

彼女の活躍は、励みになり。

原動力となったのでした。





「…これ、見てくれる?」



蓑島くんはそう言って、ズボンのポケットから出したものを私に渡した。



「…何、これ?」



それは、カードサイズのクリアファイル。



(…あ)



その最初のページには。

四つ葉のクローバーの押し花…?



ひょっとして、これ…私があげたやつ?



「み、蓑島くん…これ!」