野球、つまんねー。

やめちゃおっかな。



しかし、蓑島少年は巷では素質もあり有望な選手と騒がれており。

それに、お父さんお母さんと『やるなら最後までやれ』との約束もあり。

辞めたらみんなガッカリしてしまうんじゃないか。

そんなプレッシャーもあり、辞めることも出来ず。

ただただ腐りながらも野球を続けておりました。




そんな腐り続けながらも野球を続けていましたが。

やはり、試合には勝ちたい。



それは、小六の夏。

大事な選手権大会の試合、活躍したい。

でも、昨年までバンバン飛ばしていたホームランは今季はまだ一本も出ず、打率も低迷という不調の真っ只中。

蓑島少年は、藁にもすがるような思いで…なんと、試合中にも関わらず、四つ葉のクローバーを探すという奇行に走りました。

グランド整備の合間に草むらを一心不乱に手探る蓑島少年。



ですが、そこへ。

サッカージャージを身に纏った、女神が現れたのでした。





「女神って大袈裟な…」

「それほど俺は嬉しかったの」




彼女が草むらに手を入れると。

出てきたのは、四つ葉のクローバーなのでした。