蓑島くんは四つ葉のクローバーが好きという、そこのイメージも離れず。



そこで、確信してしまった。

あの男の子は、蓑島くんだったんだ。



「…斗弥子が何気に見せてくれた写真で気付いちゃったの」

「気付いちゃった気付いちゃったワーイワイ」

「それ、でっかちゃん…?」

「うん、そうだよ?」

真顔で芸人ネタ言うのやめて…。



散々ふざけた後に、蓑島くんはフッと笑う。



「…そ。偉大なるU-12全日本代表・杉久保星月選手に四つ葉のクローバーを頂いた、悩める野球少年は…俺」

「偉大なるなんて…ちょっと!」

「俺でしたー!イェイ」



偉大なるなんて…大袈裟すぎ。

過去の栄光だって。





でも、そうだったんだ。

少し、胸がスッとした。



この話したかったんだ。私。



…でも、単に偶然、昔に出会っていた。

で、偶然…偽物カップルになった?



偶然なら運命だよ。



でも、運命とは思えない私。



でも、どうやって話を切り出していいかわからない。

でも…話は、続けなければならない。

まだ、聞きたいことがある。



「…蓑島くん、あともう一つ。聞きたいことあるの」