うう! バレているし、同じこと考えてる。

さすが水瀬さんの後輩。彼に面倒を見てもらった人間はみんな影響されるんだ。


「今日は俺に付いて仕事するか?」

「いいんですか!」

「その為に連れてきた」


よしっ! と小さくガッツポーズした瞬間、テーブルに拳をぶつけたせいでお味噌汁が零れそうになった。慌ててお椀を抑える。

すると、同じようにお椀を抑えようとした水瀬さんの手が私の手と重なった。

男性らしい大きな手にドキッとする。


「火傷してないか」

「え、あの……大丈夫です」

「気を付けろ」


なんなの、今のー!

重なった私の手をそのまま掴み自分の方に引き寄せた水瀬さんは、火傷してるところが無いか確かめるようにじっと見つめ、無事だったことが分かると安心したような表情で手を離した。

お前はいつもそそっかしいだの、注意が足りないなど、小言が続いているけど。

こっちは、火傷する以上のダメージを受けましたからね。

朝からドキドキさせないでよ。