最後に宇津木課長が最大な爆弾を落として来た。


「新しい案件について説明する。今度の案件は来春公開する映画の広告だ。」

来春公開する映画。
そういえば私の小説も来春公開だったけ。

原作として映画に深く関わる人もいるけど、私は全く関わらない。

今まで何本も映画化されているけど、一切関わらない。

映画には映画のよさがあり、小説には小説のよさがある。
だから、あまり原作者が口を出すのはよくないと言う考えをもっている。
それにあまり私、顔出ししたくないんだよね。


「山木亮主演の・・・。」

山木亮主演・・・。
私の作品誰が主演だったけ。

「夕凪の奇跡。」

ちょっと待ってそれって・・・。

「あの、ベストセラー作家 柊木 凛の映画化作品だ。」

私は胸がドキドキし、飛び出る思いだった。
ここで広告が作られるのだ。
そこだけは絶対に関わりたくない。

「原作も素晴らしい。興行収入100億円も夢ではない作品だ。是が非でも当社で取りたい。そこでここにいるメンバーで広告を考えて欲しい。」


私には無理。
こんな案件、私が関われる訳ないでしょう。

「そこで、1つ私からの提案だ。柊木先生のインタビューを入れたい。どうかな?」

そんな提案すぐに断られるに決まってるでしょう。


「それいいと思います。柊木先生あまり、インタビューとか受けないのでこちらから交渉してみてはどうでしょうか?」

柚木さんが真面目に答えている。
そこだけは絶対にダメ。

「榎田さんはどう思う?」

宇津木課長、私に振らないでよ。
答えられない。
だって自分の作品だよ。
私は間髪を入れずに答えた。