「杉森さん、疲れてますよね?明日仕事ですし、解散しましょう」

「大丈夫。小嶋さんと居れるだけで楽しいから」

「……」

私の狙い通りに全く進んでくれない。


それから休憩でコーヒーショップに入り、その後は本屋さん。
そして十七時、居酒屋に向かおうとする穂香さん。


「私、そろそろ帰ります!」

思い切って切り出した。

「朝永君が待ってるから?」

「そう、です」

穂香さんに返されて歯切れが悪くなったのは、夕飯を作ると言ったが朝永さんが待っているかは分からないから。

「本当に待ってる?違う女の所に行ってるんじゃない?」

穂香さんは私にグサリと刺さる一言を投げた。

でも私は何も言い返せない。
朝永さんから、そういう発言を聞いているから。