考えていると自然と涙が溢れてきた



必死に止めようとするが



止まらない



誰もいない事を確認し



声を出しながら泣いた



その時、少しずつ近付いてくる足音に気付く



声を抑えながら涙を拭う



「咲羅」



「羽流」



相手は羽流だった



羽流は1段ずつゆっくり階段を上がってくる



「咲羅どうした?」



「それ以上近付かないで!」



咄嗟に出てしまった言葉だった



羽流は状況が掴めないのか、唖然とした顔をしている



「ごめん、そんなつもりはないんだけど…」



「いや、良いよ」


羽流はムスッとした顔をしながらその場を後にした



羽流のあんな顔今まで見た事ない