「ゴウは・・・」

ゴウの事になると、言葉が出てこなくなる。

「ちょっと子供かもなって思ったりします。

私のことも分かってない気がするし、松井さんに対してもあんな感じで・・・。

ママやってるくらいアタマが良いし、お客さんの扱いも上手いのに、なんでなのかなー。

いつも私よりオトナだと思ってるんだけど、こういうジャンルになった途端にコドモっぽくなるんです」


一気にまくし立てたけど、

松井さんの質問の答えにはなっていない。

覚悟を決めた。


「それでも・・・」


ハッキリ言わなければいけない。

松井さんはいつでも真剣に向き合ってくれたから。


「私は、あの人のことを愛してる。自分のすべてをかけて、あの人といたい」


言ってるそばから、駄目だな。

それは無理だな、と思う

私は雛ネェさんとは違う。


「だけど・・・私は『レズビアン』じゃない」


息をついた。

そうなんだ。

これが一番の問題なんだ。


「ずっと、『ゴウがあんなだから仕方ない』と思ってました。でも逆なんです。私がレズビアンになれない。もう根っからのノンケなんです」

松井さんを見た。

どこからどう見ても男だ。


「松井さんは、わたしと・・・その、デキますか?」

「できるよ」


即答だ。

すごい。

でも、照れる・・・

「そ、それが大事なんですよ」