「ねぇ僕?どうしたのかな?」

このまま通り過ぎようかと思ったけど、なぜか無視できなかった私は声をかけていた。

「あのねっ、転んじゃってねっ、痛いの」

膝を見ると血が出ている。

「そっかそっか。転んじゃったんだね。じゃあ、お姉ちゃんが魔法をかけてあげるね」

そう言って私は絆創膏を取り出し、ニコちゃんマークを描いてその子の膝に貼ってあげた。

「わーーっ!!お姉ちゃんありがとう!」

その子はみるみる笑顔になっていき、元気に学校へと向かって走っていった。