「それじゃあ、またな!アズちゃんとの時間邪魔して悪かった」

私の返事も聞かずに歩いていく先輩。

…よし。

「平川先輩!!!!」

大きな声で呼ぶと、いつもと変わらない笑顔で私のことを見てくれる。

…あぁ、そっか。

この気持ちは…。

「あのとき助けてくれてありがとう、先輩がいてくれてよかった」

びっくりしたように目を見張る先輩。

でもすぐにいつもの笑顔に戻って『どういたしまして』と一言言って帰っていった。

平川先輩の笑った顔、怒った顔、困った顔。

平川先輩のいろんな一面を知っていくたびに嬉しかった。

この気持ちは…。

…恋だったんだ。