あーーもう、この人は。

もう帰ろうかな。

「あーーちょっと待った!ごめんって!」

下駄箱へ向かおうとした私を引き止める先輩。

「もーなに?」

そう言うとさっきまでニヤニヤしてた先輩がいつもは見せない真剣な顔をした。

「この間の買い出しの日、大丈夫だったか?」

…え?

「わざわざそれを言うために話しかけてきたの?」

「え?そうだけど」

なんでそんなこと聞くのか?と言いたげな顔でキョトンとする先輩を見て、なぜか私は暖かな気持ちになった。