体育委員の仕事が少し落ち着いた6月。

私は家へ帰るために廊下を歩いていた。

「沙羅!一緒に帰ろう!」

私がこの学校に来てから何度も聞いたこと言葉。

私は頬を緩ませながら振り向く。

「うん。いいよ、アズちゃん」

4月、初めてアズちゃんに『一緒に帰ろう』そう言われた日、私は突き放したのにアズちゃんは毎日笑顔で『一緒に帰ろう』そう言ってくれた。

私は、そんなアズちゃんの真っ直ぐさに負けた。

…いや。

惹かれていたんだろうな。

アズちゃんはなんとなくだけど1年前の私によく似ている。

…こんなこと誰も信じないだろうけどね。