「会えて本当に嬉しいです!三上さんが亡くなられて…」

「ね…ねえ先輩!このあとどうする?」

これ以上この場にいたくなかった私は大きな声で先輩に助けを求めた。

「あ…デートの邪魔してごめんなさい…」

私に声をかけてくれた女の子たちを見送ってから私は先輩の手を引いてスポーツセンターを出た。

「…なぁ、秋元。」

先輩が声のトーンを少し下げ私の名前を呼んだ。

「なに?」

できるだけ明るい顔で振り向き返事をした。

「…いや!なんでもねーや!そろそろ帰るか〜」

先輩はいつものように明るい声でそう言った。

その後、何度も断る私を無視して家まで送ってくれた。

「今日はありがとうございました」

「いーって!嬉しいこともあったし♪」

嬉しいこと…?

「ははっ!分かんないって顔だな!」

…さっきから先輩のテンション無駄に高い…。

「それじゃ、また月曜日にな!彼女さん♡」

ニヤッとしながら帰っていく先輩。

…彼女さん?

…あ!もしかしてあの女の子たちに言われたデートって言葉でテンション高いのか!

「彼女じゃない!!!」

そう叫ぶと先輩は振り返ってニッと笑った。