「私はたまたまですー」

そう言いながら先輩を見る。

先輩は笑っていた。

「えっと、なんで笑ってるの?」

「いや、別にっ…」

先輩よく笑うんだな。

太陽のように笑う先輩を見てると、ちょっと前の自分を思い出す。

「日にち!決めようぜ!」

いきなり黙り込んだ私を覗き込むように先輩はそう言った。

「あ、うん。そうだね」

ダメだよ。

昔のことは忘れなきゃ。

私はあの頃にはもう戻れないんだから。

「じゃあ2日後の土曜日な」