想定の範疇だったのか、
近藤さんは落ち着いた様子で口を開く。


「…それは私達としても
ありがたい話だが……
君がその決断をした
理由を聞いても良いかい?」


「ただ利害が一致すると思ったのです。

……もう一度奴と対峙した時、
私一人では敵わないでしょう。」


(奴との力の差は
刀を合わせた自分が一番よく知っている。)


「力で敵わないのなら
策略で上回るしかない。
それには今の私には情報が少なさ過ぎる。」


「それに、
そちらとしても
奴の顔を知る人間は
一人でも多い方がいいでしょう。」