「…近藤さん、井上です。
伊織くんを連れて来ました。
入ってもよろしいですか?」


ある部屋の前に着くと
優しそうな面立ちの男−井上源三郎さんは
立ち止まりそう告げる。

この部屋に着くまでに井上さんは
自己紹介と
私がこの屯所に居る経緯を説明してくれた。

井上さんによると、
あの後
実はこっそり尾けていた総司は、
気を失って倒れている私を発見し、
屯所に担ぎ込んでいたそうだ。


そして…


あの家の中にいた人で
生存者は

………私一人だそうだ。