そう思いながらも踵を返そうとした瞬間
伊織が入っていった家から
何かが強く打ち付けられる音が聞こえた。

ただ事ではないと察した総司は
勢いよく地面を蹴る。

……そして
伊織の家に着き勢いに任せ戸を開けると
血まみれの三人の遺体と
すぐそばで倒れている伊織の姿が目に入る。

すぐさま伊織の元へと駆け付ける。
口元に手をかざすと
微かだが息をしてることが分かった。

(一体誰が?)

「それよりっ早く屯所に連れて行かないとっ]

頭に浮かんだ疑問を振り捨て
総司は伊織を背負うと
屯所へと全速力で走って行った。