息を整えた私は、もう一度男に飛びかかる。
ーーーガキンッ


刀にその勢いを込めて放った一撃は
先程までより鈍い音を立てて
男に受け止められる。


しかしそれで十分…否、それでよかった。
…この男と私の実力差は
どう見ても歴然としていた。
私も受け止められること前提として
攻撃を放っていた。

ーこの時のために…ー


ーーーパキッン

一点に集中させていた斬撃は
男の刀の綻びとなり
刀は甲高い音を立てて折れる。

受け止められた反動で後ろに跳んだ私は
丸腰も同然の男に第二撃を…
ーーードガンッ

「グハッ!?」


二撃を放つ瞬間
男は回し蹴りをしたのだ。
なんとか受け身をとったものの私は
床を勢いよく転がり壁に身を叩きつけられる。