有無を言わせず突きつけられた
今の惨状を理解できずふらふらと
お市ちゃんに触れるため屈めた身を起こす。

そんな私の様子を見て
男は口を開く。

「…この家には、
子供はこの女一人だったはずだが…お前は…ツ」

ーーーカキンッ


「…殺すッ」

男の声を聞いた瞬間
先程までのぽっかりと穴が空いたように
空虚だった心の中から
烈しい殺意と憎悪の感情が溢れた。

その想いのまま男に斬りかかる。

今度の攻撃には男も避けれず
刀を抜き私の攻撃を防ぐ。

男に隙を与えることなく
私は第二撃、三撃を繰り出す。

三撃目は男の頬を掠ると
男の白い肌を紅い血が一筋伝う。